TOP>全肥商連創立60周年記念式典     
 平成28年7月28日に東京の経団連会館で、約400名の参加を得て盛大に開催された一般社団法人 全国肥料商連合会の創立60周年記念式典の様子を、上杉会長から戴いた資料を元に紹介します。


    記念式典は3部構成となっており、第1部では副会長西谷貴彦様(三菱商事)の開会のことばから始まり、全肥商連の活動を通して日本農業の発展に貢献された方を表彰しました。

 農林水産大臣賞は野矢善章様(滋賀県)、児藤雅俊様(熊本県)、豊田富士雄様(静岡県)の3名が受賞され、森山裕大臣(代読:佐藤英道政務官)より感謝状を授与されました。
           
 


    
   農林水産省生産局長賞は砂押武昭様(茨城県)、小嶋正一郎様(山形県)、立石信彦様(香川県)の3名が受賞され、枝元真徹生産局長より感謝状を授与されました。 

 全国肥料商連合会会長賞は飯田進作様(北海道)以下17名が受賞され、計23名の受賞者を代表して副会長児藤雅俊様より森山農水省大臣(代理:枝元生産局長)に対し謝辞がありました。 
          
 【全肥商連会長賞受賞者(敬称略)】 飯田進作(北海道)、鈴木又五郎(秋田)、山本真一(福島)、山田輝敏(群馬)、宮本和一(千葉)、関口眞佐德(新潟)、藪崎宰一(静岡)、鈴木善文(愛知)、上野武夫(三重)、加藤眞八(三重)、坪井文吾(岐阜)、西本弘(奈良)、林一治(京都)、吉見誠記(徳島)、宮原茂行(佐賀)、菊池慎一郎(宮崎)、興梠欣一(元事務局長) 
   
          副会長小泉潔様(三井物産)の閉会のことばで、第一部の式典は恙なく完了を致しました。   
             
  
        
           
 第2部では、国宝・文化財の補修を行う㈱小西美術工藝社のデービッド・アトキンソン社長による「新・観光立国論」の基調講演がありました。

 日本は観光立国を支える4大要素プラス1である「自然」、「季節」、「文化遺産」、「食」と「多様性」が揃っており、その財産を磨くことにより2030年までには訪日外国人旅行者数8200万人、旅行消費額15兆円を実現することが可能であると主唱されました。

 2030年までというと時間的余裕がないようですが、2020年には東京オリンピック・パラリンピックがありこの最大の好機を逃すべきでないとの発言には、会場の人を惹きつける説得性がありました。
              基調講演を受けて、「さぁ 動こう!そこに未来がある」をテーマとするパネルディスカッションに移りました。
 アトキンソン社長に加え、自民党農林部会長として農政改革の推進を担う衆議院議員の小泉進次郎氏、二宮金次郎(尊徳)の思想を伝える7代目子孫の中桐万里子氏(リレイト代表)がパネラーとして参加し、「農業」「観光」「二宮尊徳」そして「全肥商連」をキーワードとした議論が副会長の豊田富士雄氏(豊田肥料㈱社長)司会進行の下で行われました。  
 
  参議院議員選挙期間中、日本列島を北から南、東から西とまさに東奔西走した小泉議員は、長野県の川上村の深夜から始まるレタスの収穫に参加した模様を語りながら、今の課題は人口減少に立ち向かうことであるが、川上村のレタス農家のような農業は成長産業になれる。前向きに豊かさを次の世代に引き継いでいくことの重要性を強調しておられました。

 中桐万里子氏は薪を背負って本を読みながら歩く少年金次郎が青年から壮年期にわたり経営コンサルタントから地域コンサルタントに成長する姿を説明されながら、彼の言動が彼の死後でも多くの内外人に影響を与えた実例を語られました。      
 
     トヨタグループの創始者豊田佐吉、ミキモト創始者の御木本幸吉、東京商工会議所創始者であり化学肥料産業の創業を支援した渋沢栄一、パナソニック創業者松下幸之助、経団連4代目会長土光敏夫、イギリス初の女性党首マーガレット・サッチャー等がどのような影響を受けたかを説明しながら、二宮尊徳の道徳経営学の神髄について論じられました。
    また、尊徳の教えを受け彦島報徳社を創設した名倉太郎馬の業績に触れ、静岡県磐南平野において田圃を四角形するとか用水路を開発し農業の近代化の大きく貢献した事例紹介を通して、現実を踏まえ、データを元にした分析による生産性向上策こそが二宮金次郎の農村復興の原点であったことを分かり易く解説されました。 
   パネラー間の自由討議では、日本及び日本人の生産性に話が移り、国全体の生産性は高いが個人一人当たりの生産性はイタリヤ・スペイン並であり、教育水準及び元々備わっている素質を考えると非常に残念な状態にあることが浮き彫りにされました。

 アトキンソン氏は、何故日本人が生産性を引き上げることができないのかの背景に年齢序列にこだわる社風、風習があるが、次世代の若手を如何に育成するかの視点(生産性向上の早道)が欠けていることを厳しく指摘されました。
                       
 
  豊田社長からは、全肥商連はその歴史的背景を財産としながら一般社団法人化以降その財産を磨き直す事業を展開してきた。会員が持つ栽培・施肥技術をプラットフォームに食卓まで安全を届けるJGAPへの取組み、更に会員各社の地域密着型事業展開を加え、宮城大学大泉一貫名誉教授が提言されている成熟先進国型フードチェーンにも果敢に挑戦していける能力があることを解説されました。
           
 そこから議論のまとめに入りました。人口減少が加速するなか産業構造の改革が喫緊の課題となっているが、まずもって全ての日本人の意識改革が必要となっており、観光立国になるにも農業改革をするにしても同様であるとの認識を共有しました。

 最後に新農政はどうなるか。秋の陣の展開は如何に?といったことについて小泉代議士の見解を聞く場面もあり、会場は一瞬静寂となりました。小泉代議士は「意志のあるところに道は開ける」との覚悟で、現在の資材及び食品の流通改革を断行し秋の陣を乗り切ると力強く述べられ、会場からの拍手がやまなかったほど盛り上がりました。

 基調講演は60分、パネルディスカッションは85分の長きにわたりましたが、時間が経つのも忘れ約400名の方々が聞きいりました。デービッド・アトキンソン氏、小泉進次郎氏、中桐万里子氏、豊田富士雄氏 本当に有難うございました。
            
    第3部の記念祝賀会は、飯田進作副会長の開宴挨拶から始まり、日本の農業技術の世界への貢献こそTPPの要と主張されておられる石破茂地方復興大臣、イスラム国に拉致された日本人解放交渉で尽力された中山泰秀衆議院議員、生産資材対策及び営農技術で適格な指導をしていただいている農林水産省技術普及課真鍋郁夫課長、産業政策面で適切な指導をしてくださる経済産業省素材産業課茂木正課長には激励の来賓挨拶をしていただきました。
      
       
 
    
   乾杯の音頭は種々行事を共催していただいている全国複合肥料工業会九鬼十三男社長にお願い致しましたが、会場を埋め尽くした参加者が元気よく声高らかに“乾杯”され祝賀会は最高潮に達しました。
  祝宴半ばには、来年 ミュージカル“”二宮尊徳“”を全国各地でロングラン公演をおこなう「わらび座」によるパーフォーマンスもあり、会場はより一層賑やかになった。
             
   祝宴も後半に入り、第53回全国研修会主催者の熊本県県部会長田中秀一郎様より義捐金への感謝と共に全国研修会を来年7月に熊本市において開催する旨の案内と参加要請がありました。
      
  中締めは60周年記念式典準備委員会委員であります東京都部会長奥村友三様による御礼挨拶とともに関東三本締めで7時間にわたる記念式典を恙なく終えることができました。  
      
  今回の式典には非常に多くの方々のご協力をいただきました。この場を借りまして、改めて深く感謝を申し上げます。
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